公務員における職員組合の実態(目的・活動内容編) 

公務員の七不思議
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こんな方に向けて記事を紹介しています
  • 公務員の職員組合ついて興味のある方
  • 職員組合への加入についてお悩みの方
  • これから公務員を目指す方
  • 公務員への転職を考えている方
  • 公務員として働かれている方

お疲れ様です。元公務員のりょんです。

今回は「職員組合の実態」というテーマで記事を紹介していきます。

公務員として入職すると「職員組合」への加入を勧められます。
当然最初の頃は知識が無いので分からなくて当然なんですが、ある程度の情報を入れておくことで後々の後悔を最小限に食い止めることができると思います。

ではこの職員組合って一体なんの目的で存在しているのでしょうか?

本記事では、職員組合の活動目的や主な活動内容に焦点を当てて考察していきます。
法律や専門的な言葉が多い記事になりますが、できるだけやんわりと紹介していきます。

りょん
りょん

学ぶこともたくさんありますが、その分大変なこともたくさんある公務員の職員組合。

ある程度組合について理解をした上で加入の検討していきましょう。

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1. 職員組合の目的

賃金の上昇や休暇の見直し等、労働条件の改善を目的として作られる組織

職員組合の目的は、労働条件の改善が主たるものとなります。

基本的には民間企業における労働組合と似たような団体になるんですが、公務員の場合は行動に一部制限が存在しています。

制限に関しては地方公務員法という法律によって定められています。

以下ではその制限を紹介していきます。

制限① 争議権が認められていない

公務員は地方公務員法第37条第1項によって争議権が禁止されています。

(争議行為等の禁止)

第三十七条 職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。

 職員で前項の規定に違反する行為をしたものは、その行為の開始とともに、地方公共団体に対し、法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に基いて保有する任命上又は雇用上の権利をもつて対抗することができなくなるものとする。

地方公務員法 | e-Gov法令検索

要するに公務員にはストライキ、スローダウン、ロックアウト等の争議行為が禁止されていることになります。

もしも公務員が争議権を保有していた場合、行政がストップする可能性が生じます。
この状態では住民の方々へのサービスは滞ってしまうため、様々な混乱が起こってしまうのは明らかですよね。
公務員は「全体の奉仕者」の立場であることが前提としてあるため、職務を止めることはできないことになっています。

〜言葉の解説〜
ストライキ・・・抗議のために労働を行わないこと。
※スローダウン・・・抗議のために労働の品質を低下させること。
※ロックアウト・・・抗議のために事務所を閉鎖し作業を中断させること。

制限② 団体交渉権の一部制限

公務員は地方公務員法第55条第1項によって団体交渉権が一部制限されます。

(交渉)

第五十五条 地方公共団体の当局は、登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、及びこれに附帯して、社交的又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し、適法な交渉の申入れがあつた場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。

 職員団体と地方公共団体の当局との交渉は、団体協約を締結する権利を含まないものとする。

地方公務員法 | e-Gov法令検索

要するに公務員の給料は税金からでており、民主国家のルールに則って法律で決めているため自由な交渉は許しませんよ〜といったイメージで捉えてもらえれば大丈夫だと思います。

勤務条件に関する意見や不満を伝えることはできますが、それだけにとどまるようです。

公務員は勤務条件などの交渉を図ることはできますが、労働協約を結ぶ権利は認められていないんですね。

りょん
りょん

難しくて、頭が痛くなってきました。
慣れないことはするもんじゃないですね・・・

2. 活動スケジュールについて

ここでは組合の年間スケジュールについて紹介していきます。

1〜3月 春闘交渉
主に労働条件・賃金についての交渉を行います。

2月 組織・人事異動に関する要求交渉、各支部での折衝

4〜6月 夏期交渉
主に夏期休暇についての交渉を行います。

5月 メーデー
労働者の祭典。
以下で紹介しています。

8月 人事院勧告
人事院により、春闘交渉によって決められた民間企業と公務員の賃金を比較し、国家公務員の賃金に対する勧告(※①)が実施されます。

9月 定期大会
以下で紹介しています。

10月 人事委員会勧告
各都道府県に設置されている人事委員会によって地方における官民較差(※②)を行い、地方公務員の賃金に対する勧告が実施されます。

11月 年末賃金確定交渉
人事院で受けた勧告を受け、賃金確定に関する交渉を行います。最終的には議会にて条例が改正され公務員の賃金が決まっていきます。

こうやってみると年間で様々な活動があるんですね。
労働環境や賃金に関する改善を行うため、組合員の方が陰で努力されていることがわかります。

スケジュールを見ると非常にやることが多く忙しそうに感じますが、交渉や資料作成については委員長をはじめとした組合幹部が代表して行っていくため、一般の組合員であれば年間の活動は限られたものになります。

それでは実際に一般の組合員としてどんな活動があったのか、以下で紹介していきます。

りょん
りょん

職員組合の絶え間ない努力によって公務員の働きやすさは徐々に改善していると思います。

公務員の明るい将来を作っていくのも公務員次第なのかもしれませんね。

〜言葉の解説〜
※①勧告
ある行動をとるように説きすすめること。
②官民較差(かんみんかくさ)
民間企業と公務員の賃金を比較すること。

3. 主な活動内容

上記で紹介した通り、役職のない組合員であれば年間スケジュール全てに関与するわけではありません。

実際に組合員として動員される代表的な活動について以下で紹介していきます。

①メーデー

5月にはメーデーと呼ばれる労働者の祭典があります。

メーデーは5月1日に実施され、民間企業や各自治体の組合職員が集い、労働条件や賃金の改善を訴えます。

屋台の出店があったりするので、住民の方からするとただのお祭りのように感じるかもしれませんが、組合員の権利を主張するために行われる立派な組合活動の一つになります。

みなさんは駅前などで旗を持っている人たちを見たことがありますか?

他活動の場合もありますが、こういった活動も職員組合の活動内容になります。

私の印象では新入職員に動員要請がかかることが多いです。

②平和の日リレー

7月には平和の日リレーと呼ばれる非核・平和宣言のためのリレーがあります。

この行事は、隣接自治体から受け取ったバトンを他の隣接自治体に渡すため、所属自治体を横断するリレーとなります。
平日に実施されるので存在を知らない方も多いと思いますが、公道を放送しながら走るので結構目立ちます。

これが結構過酷。
日々運動なんてしてこなかった私には長距離を走るのって結構大変でした。

このリレーに関しても新入職員に動員要請がかかることが多いです。

③定期大会

9月には定期大会と呼ばれる組合活動があります。

大会の内容としては、行動方針、活動報告、収支報告、役員交代等となります。

定期大会は業務終了後の夜間に開催されます。
内容の承認には組合員の3分の2以上の承認が必要となるため、各部署で〇〇人といった動員要請がかかる場合が多いです。

新入職員は基本的に動員対象となる場合が多い印象を持ちました。

④その他

その他2ヶ月に1回程のペースで懇親会や学習会、他市区町村職員との意見交換会

年間のスケジュールを詳しくは覚えていませんが、2ヶ月に1回くらいのペースで懇親会や他市町村職員との意見交換会、組合活動に関する学習会が開催されていました。

組合活動に関しての内容が主たるものでしたが、自治体の意見交換によって横のつながりを作る機会があったのは非常に魅力的な活動であると感じました。

りょん
りょん

組合活動では「団結頑張ろー!」という掛け声と共に組合員の意思統一を図っていきます。
最初の頃は、なんだか少し恥ずかしいです。

4. さいごに

いかがでしたでしょうか?

今回は「職員組合の実態」について、活動目的や活動内容に焦点を当てて記事を紹介しました。

「全体の奉仕者」である公務員には制限が多く存在しているんですね。

公務員在籍時には特に細かい部分まで理解せずに過ごしていましたが、こうやって調べてみると「理にかなっている部分が多いんだなぁ〜」と思わされることが多くて個人的には非常に勉強になりました。

インターネットで職員組合のことを調べていると、加入に関して様々な疑問の声が多い現状であることを知りました。
以降の記事ではこうした職員組合の疑問について、経験談を交えて紹介していきたいと思っています。

学生時代に法律の勉強をしておけば、もっと簡単に説明できたんだろうなぁ・・・
図書館で公務員関係の参考書を開き、理解に苦しむりょんなのでした。

りょん

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