- 公務員を目指している方
- 地元以外の自治体を志望されている方
- 地元以外の自治体を志望されている方で、特に地方部の自治体を志望されている方
お疲れ様です。元公務員のりょんです。
今回は「地元以外の自治体を志望するのって不利になるの?」というテーマで記事を紹介していきます。
長い人生の中で地元の自治体だけでなく、全く知らない土地の自治体職員を目指す方も沢山いらっしゃると思います。
地元の自治体だと近所の人だったり、先輩・後輩、知っている人がたくさんいますよね。
人間関係がある程度構築されているというのは働きやすい反面、面倒な部分だったりやりにくい部分があるのも事実。
様々な理由から「地元で働きたくない!」という人も一定数いると思います。
しかし、地元に根付いているというイメージが強い公務員。
地元出身者でないことで、どの程度採用に関して不利になるのか気になるところですよね。
本記事では、地元以外の自治体を志望する際、どの程度不利が生じるのか?という点について、経験談を踏まえて考察していきます。

現在は多種多様な働き方が推進されていますが、公務員の実態はどうなっているのでしょうか?
↓関連記事は以下で紹介しています↓
1. どのくらい地元以外の方が在籍しているの?

では実際に、どの程度の職員が地元出身者以外の方だったのでしょうか?
この点については、地方部と都心部の自治体で結構差があることがわかりました。
以下では、経験談を元にそれぞれ紹介していきます。

あくまでりょんの経験談(りょん調べ)から紹介していますのでご了承ください。
① 地方部の自治体
地方部では「地元出身者」が職員の大多数を占めていた
地方部の自治体ではほとんどの職員が地元出身の方でした。
新卒・中途入職の方についてもほとんどが地元出身者です。
所属自治体以外に住まれている方も一定数いましたが、地元が県内の近隣市にあるといった感じで全くその土地を知らない職員は非常に少ない印象を持ちました。
一部県外出身の方もいましたが、自身にゆかりはないけど身内にゆかりがある方がほとんどで、「配偶者が地元の方だったから」という理由が多かったです。
そのため、県内出身者でも無く、全くその土地を知らないという方は非常に少数だったと思います。

地方部の自治体は大多数が地元出身者の方でした。
特段の理由なく県外から地方の自治体職員を目指す方は少ないのかもしれないですね。
② 都心部の自治体
都心部では「地元以外の出身者」が職員の大多数を占めていた
都心部の自治体ではほとんどの職員が地元以外の出身者でした。
都心部の自治体では職員応募条件に「市内在住」という縛りが無く、居住地については自由というのも理由の一つとしてあるのかもしれません。
入職後に所属自治体に移住されている方は多少いましたが、ほとんどの職員が市外・県外出身者であり、居住地もバラバラといった感じでした。
年齢層にも限りはなく、入職するまで縁もゆかりもなかった人が多い印象を受けました。

こういった柔軟な働き方が進んでいる都心部の自治体は魅力的ですね!
今の時代全ての自治体がこうなってもいいと思うんですが・・・
⇩「市内在住」の実態についてはこちらで紹介しています⇩
2. りょん経験談からの考察

地方部では不利な要素が少なからず存在する
長年地方部の自治体で働いてきた経験上、そう感じる部分が多々ありました。
地方部での不利な要素については以下の記事で詳細に紹介していきますが、ここでは参考程度にりょんの経歴を紹介していきます。
- 1社目(地方部)
⇨ 地元ではないが、地元と同県の自治体 - 2、3社目(都心部)
⇨全く縁もゆかりもない自治体
2、3社目については単純に運が良かっただけの可能性があるかもしれませんが、都心部の自治体には地元在住者以外の方が多く在籍していたので、不利を感じることはありませんでした。
ただ1社目の地方部については、あくまで地元の近隣という形だったので合格することができたと感じる部分がありました。
以下ではその理由を説明していきます。

地元在住者が優遇される理由の真相・・・
地方部の採用の実態はいかに!!!
3. 地方部の自治体では不利になる??

地方部の自治体では、縁もゆかりもない自治体を受ける際に若干不利な要因があると感じました。
不利な要素には、受験時だけではなく、入社してからの要因も含まれている部分もあります。
地元か否かという点で採用時の優劣に関係性があるのか不明な部分はありますが、経験上感じた地元出身者以外の方が不利となる理由について以下で紹介していきます。
理由① 新入職員の大多数が地元出身者という現状
上記でも紹介していますが、地方部における新卒・中途入社のほとんどの方が地元出身者です。
地元出身者以外の方がどの程度受験されているかは定かではないので真相解明は難しく、自治体の意図があるのかは不明なところはあります。
ですが、圧倒的な数の差から地元出身者以外に「何かの不利益が働いているのではないか?」と感じるほどでした。
確かに地元出身者以外を採用した時のリスクも考えられます。
例えば、こんなケースがあったとします。
親の介護が必要になった ⇨ 地元を離れる選択をする
親が在籍自治体の近くに引っ越せる状況であれば対応できますが、持ち家がある場合だとそううまくもいきません。
リモートワークが可能であれば継続して働くことは可能ですが、公務員の仕事はBtoC (※①)が大半を占めているため、そうはいかない部分も多いです。
一方、地元出身者であれば親が近くに住んでいることが多いため、時短勤務や介護休暇を活用していくことで働き続けることが可能です。
これはあくまで一例ですが、各自治体は多くの労力をかけて入社してもらった人材を失いたくない思いがあるので、離職のリスクも考えなければなりません。
地元出身者を採用することで多少なりとも退職のリスクを減少させることはできると思います。
以上の点から、何かしらの理由で将来的な退職リスクのある職員を採用するより、以前から地元に住んでいる方を採用した方が自治体としても都合がいいと考える部分があるのかもしれませんね。

採用業務は多くの時間・労力・金銭がかかります。
自治体としても離職リスクは避けたいところですね・・・
〜言葉の解説〜
※①BtoC
企業と消費者間の取引のこと。市区町村職員の場合、大半の職務内容がBtoC。
理由② コネ入社との壁
コネ入社は実在する
あってはならないことですが、今もなお地方部ではコネ入社が多く存在しています。
筆記試験を見事合格しても、コネ受験者が試験を突破していれば面接試験での勝ち目はありません。
私も驚きましたが、地方部では地域のコミュニティ範囲が狭いためコネ入社は結構存在している現状があります。
入職してきた職員の情報を聞いた時
「あ〜〇〇(割と偉い人)のお子さんなんだぁ」
といった情報を聞く機会が結構ありました。
隠しているつもりなんでしょうが、風の噂で広がるものなんですね。
言い方はおかしくなりますが、コネ入社は地元出身者(その土地に何かしらの縁がある人)の特権になります。
当然、地元出身者以外には不利益な弊害になってしまいます。

コネ採用を優先し、優秀な人材を落としてしまう自治体はまだ存在しています。
何かと公務員の採用について全国で問題になっていたりしますが、まだ存在していることは確かです。
理由③ 地域性の壁
これは入社後に起きる問題となりますが、地方部では独自の地域性というものが存在します。
この地域性って結構厄介です。
以下では、地域性について在籍時に私が感じたもの、よく耳にしたものを紹介していきます。
地域性の壁① 田舎ならではの地域コミュニティ
地方部では、田舎ならではの地域コミュニティが存在している場合があります。
その特徴の一つとして、地域の行事への参加がほぼ強制的な点が挙げられます。
地方部ではお祭り、ラジオ体操の当番、側溝の清掃、地域の運動会などの様々な地域行事に関して、地域の方が協力し合いながら運営し、地域を守っている文化があります。
地域行事に参加することには交流が図られる利点がありますが、こんな風に感じる方もいると思います。
「住んでいるだけでこんなことしなきゃいけないの?」
地元在住者だと当たり前の考えも、慣れない方には苦痛に感じる場合もあると思います。
「参加しない!」という選択肢もあると思うんですが、地域の絆のような意識も強く存在していることがあるので、最悪の場合仲間外れにされたり、嫌がらせを受けたりすることもあるんです。
住んでみないとわからない部分があるため難しい部分にはなりますが、実際に田舎の風習に嫌気が指して都心部に転職していく方もいました。
地域性が特殊な自治体であればあるほどその分の退職リスクも高くなります。
この点についても、地元以外の方を採用するのに抵抗が出てしまう部分があるのかもしれませんね。

行事に参加することで地域との絆は深まりますが、強制するのは今の時代どうなんでしょうか。
人口流出が問題視されている中、少しでも柔軟な考え方に変えていかなければ地方部は衰退の一途を辿るかもしれませんね。
地域性の壁② 新参者の受け入れを拒む
現在は若年層の地元離れにより新しく移住してきた方を歓迎してくれる地域もあると思いますが、少なからず除け者扱いをする地域も存在していると聞きます。
運よく恵まれた地域に移住できればいいんですが、万が一ひどい地域に移住してしまうと大変です。
こういった古い考えが地方の人口流出に繋がっているような気はしますが、地方部では古くからその土地の伝統を守ってきている使命感を感じている方が多いため、伝統を理解していない新規居住者を余所者扱いする地域があるそうです。
地方部への引越しを検討されている方は、地域の特性などを事前に理解しておく必要があるかもしれませんね。
調べてもわからない部分も多くあるとは思いますが・・・
このように地元出身者以外の方は、独自の文化の強さに嫌悪感を抱いてしまう可能性があります。
最悪の場合には退職に繋がる恐れも出てきます。
こういった点についても永住を望める地元出身者を優遇している背景が少なからずあるのかもしれませんね。

最近では地域外から移住してきた方を対象として、コミュニティ作りの場の開設・意見交換会などの交流イベントを実施している自治体があります。
それでも全く知らない土地で就職するのって結構不安ですよね。
理由④ 土地勘の壁
自治体職員として働く上で”土地勘”は非常に重要となります。
自治体には、その土地に長くから住んでいる方、最近移住してきた方、たまたま観光や仕事で訪れている方など様々な人が来庁します。
当然誰もが
「自治体職員はその土地(市区町村のこと)を知っているのは当然」
という形で接してきます。
皆が皆、親切丁寧に話をしてくれればいいんですが、残念ながらそうもいきません。
その土地に古くから住んでいる方は、旧地名で情報を言ってきたり、「昔〇〇があったところ」などと、もはや地元出身者であっても理解不可能なことを言ってきたりします。
ただ、地元出身者であれば完全にはわからなくてもなんとなーくわかったりするものなんです。
都心部の自治体職員でも同じことが言えるのですが、都心部は人の入れ替わりも激しく、そもそも都心部の自治体職員自体に地元出身者が少ないことから、住民の方の土地勘へのニーズもそれなりといった印象であまり影響を感じませんでした。
初めの頃は自治体の情報についてわからない部分も多いのは仕方ないと思いますが、当然地元出身者の方が情報を飲み込みやすく多少なりとも即戦力になるといった点については優位にある思います。

公務員として働く上でよく使用する「大字・小字(※①)」。
地元出身者でも馴染みのない言葉を体に染み込ませるのって非常に時間がかかりました。
〜言葉の解説〜
※①大字・小字(おおあざ・こあざ)
大字・・・明治時代以降の市町村合併の際に残った地名で、昔の地名の呼び名。
小字・・・市区町村内の区画の呼び名。
区画整理や市町村合併で呼び名の存在がなくなる場合もあるが、現在でも多くの古い呼び名が残っている地域がある。
普段聞き慣れている住所は大字が省略されていることもあるため、住まれている方の中にもご存じない方もいるかもしれませんね。
4. さいごに
いかがでしたでしょうか?
本記事では「地元以外の自治体を志望するのって不利になるの?」というテーマについて紹介しました。
公務員としての経験上、地方部においてはまだ地元以外の方の採用を避けている部分があると感じました。
入職後の退職リスクを考えると致し方ない部分も考えられますが、出身地で優越を決めているようでは自治体は良くなっていきません。
今までの偏った考えは捨て、優秀な人材を採用していく柔軟な意識に変えていくことが今後の明るい未来のためには必要なことなのではないでしょうか。
ただ現実はまだ地元出身者が優遇されている状態です。
本当に優秀な方が採用されるような意識に変わっていくよう願っています。
りょん
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