- 公務員の定期異動に興味がある方
- これから公務員を目指す方
- 公務員への転職を考えている方
- 公務員に合格している方
- 公務員として働かれている方
お疲れ様です。元公務員のりょんです。
今回は「定期異動の目的」というテーマについて紹介していきます。
皆さんは公務員の「定期異動」をご存知でしょうか?
様々な企業においても人事異動があるとは思いますが、公務員の場合は少し狙いが異なっているようです。
本記事では、そんな定期異動の目的について経験談を踏まえて考察していきます。

不安あり、喜びあり、涙ありの定期異動。
内示発表のドキドキ感がたまりませんね!
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1. 公務員の定期異動ってなに?

みなさんは公務員の定期異動についてご存知でしょうか?
言い方をわかりやすく変えるのであれば「毎年実施される大掛かりな人事異動」となります。
まず、定期異動についての基本的な情報を紹介していきます。
・定期異動とは?
⇨1年に1度実施される人事異動のこと。
・実施日は?
⇨欠員補充等、様々な理由での随時的な異動もあるが、大抵の場合は年度が切り替わる4月1日に実施される。
・職員の異動目安は?
⇨3年に1度を目安に配置換えが行われる。
長い人だと10年以上同じ部署に在籍する人もいるが、逆に1年で異動する職員もいる。
全ての職員が同時に配置換えとなるわけではありませんが、公務員には毎年人事異動が存在します。
定期異動が実施される年度の切り替わり前後は非常に慌ただしい期間となり、職員は引き継ぎや引っ越し作業に追われることになります。
たたでさえ多忙な公務員。
引き継ぎには残業が発生しますし、労力も予算も余計にかかってしまいます。
なぜ定期的に職員の配置換えをする必要があるのでしょうか?
以下では公務員の定期異動の謎について考察していきます。

定期異動の目的について、一緒に学んでいきましょう。
2. 定期異動の目的とは?

なぜ公務員は定期的に人事異動をする必要があるのでしょう?
長年同じ部署にいれば経験値は上がっていくはず。
市民サービスの向上は明らかなのに・・・と思う方もいらっしゃると思います。
定期異動の目的について、謎を解いていきましょう。
目的① 癒着の防止
恐らくこれが定期異動の存在意義として一番大きな理由となります。
公務員には公平性が最重要!
仮に定期異動がない世の中だったとして、どんな問題が起きるか考えてみましょう。
定期異動の制度がない場合、毎年同じような業務を同じ職員が抱えることになります。
毎年同じ業務を担当していると少しでも楽をしたくなってくるのは当然ですよね。
公務員も1人の人間。
委託業者だったり住民の方だったり、信頼関係は必ず生まれていきます。
信頼関係が構築されている同じ業者に依頼することで非常に業務もスムーズに進行していきます。
それに味を占めて自分が働きやすいように動いていくようになると、癒着が発生する恐れが出てきます。
このように時間労力共に効率化が望まれる点では非常に優れているものの、公務員として働く上で最重要の公平性が破綻していきます。
慣れ親しんだ同じ会社に依頼をした方が効率は上がると思いますが、公平性・中立性を確保しながら働く公務員にとってはNGな行為です。
定期異動はこういった要因を少しでも避けるために行われているんですね。
ただ、実は・・・未だに癒着の存在を感じることはあります。
入札において発注金額ぴったりで札を入れている業者が見受けられたり、やりやすい企業に依頼するために発注を謎に分けたり・・・
浮き彫りになっていないだけで癒着の存在はまだ抜けてない部分もあります。
公務員は多くの方との関係を持つ特殊な仕事。
人事異動を実施し、多少なりともやり方・方針を変化させていくことで、少しでも不祥事を減少させたい理由から定期異動の制度が存在しているんですね。

たまに業者間の談合で逮捕されているニュースが流れてきますが、公平性に欠けるあってはならない行為ですね。
目的② 職員のやる気増進
公務員の定期異動は各職員の異動希望を踏まえて決められています。
全員の希望が叶うわけではありませんが、定期異動があることでこんなメリットが生まれます。
- 興味のある部署に配属される希望を持つことができる
- 自分の仕事の適正を知ることができる
自治体の仕事は様々な分野に分かれているため、どこに配属されるかはわかりません。
異動希望通りの部署に配属が決まれば有意義な公務員ライフを送ることができますが、時には興味が湧かない部署に配属されることもあります。
組織での運営なので、こればっかりは仕方ないですね。
ただ興味が湧かない部署に配属されたとしても、ある程度の期間我慢すれば部署異動が待っています。
つまり、定期異動があることで少しは希望を持って働くことができるんですね!
また、様々な部署に配属されることになるので、自分の適正業務を知ることができます。
仕事って実際やってみないとわからないですよね。
この点については自治体にとっても魅力的な部分です。
職員の適正を加味した職員配置を行うことで業務を円滑に進めていくことができます。
このように定期的な異動があることで、職員のやる気増進が見込まれます。
様々な分野の業務を担う特殊な公務員の仕事上、定期異動は必要不可欠な制度であるんですね。

仕事内容が短期間で変わるのはストレスもかかりますが、新たな経験や出会いも待っています。
辛い思いもありますが、希望を持てるだけ恵まれているかもしれませんね。
目的③ 職員の育成
これは個人的に定期異動が必要不可欠であると感じた要因の一つになります。
公務員として働く上で幅広い知識・経験を持つことは非常に重要です。
住民の方は職員のことを自治体のことはなんでも知っていて当たり前と思って接してきます。
「私は税金関係の部署にいったことが無いのでわかりません」
入社当時の私はこんな発言をしてしまい「もっと勉強しろ!」と住民の方に怒鳴られたことがあります。
これは公務員の方であれば共感できることかもしれませんが、住民の方には通用しません。
特にある程度経験年数のある職員がこんなことを言ってしまうと住民の方からの信用性は失われてしまうでしょう。
全部署の業務内容を把握するのは難しいとは思いますが、公務員として働く以上ある程度幅広い知識をつけることが非常に重要であることは事実です。
幅広い知識を持つことで住民からの信頼感や安心感にも繋がっていきます。
公務員としての経験・知識を幅広く得るためには、様々な部署での経験を積むことが一番です。
こういった点においても、定期異動は非常に意味がある制度と感じました。

公務員の仕事では幅広い知識が要求されます。
視野を広げられるよう自己成長していくことも、公務員として働くためには必要なことなんですね。
目的④ 職員間の交流
自治体の仕事を円滑に進める上で、横のつながりは非常に重要です。
定期異動があることで職員間の交流の機会は勝手に生まれていくため、多くの職員との関係性を築くことができます。
多くの職員との関係性を築くことにはこんな利点があります。
- 経験値を吸収していくことができる
- わからないことが聞きやすい環境が生まれる
- 互いに助け合う文化が生まれる
- 横のつながりが生まれる
公務員の仕事は閉鎖的な感覚ではうまくいきません。
自治体の業務は細分化されているため、仕事の中で様々な部署の方と絡みが発生します。
職員間の交流が豊富であれば仕事の効率性も上がりますし、助け合う文化が生まれることで業務も円滑に進んでいきます。
もし、定期異動による職員の配置換えがなければ、横の繋がりが生まれず、縦割り行政(※①)になってしまう恐れが出てきます。
近年はコロナ禍の影響もあり交流の場が減少しているため、職員間の交流は一つの課題かもしれませんね。
このように定期異動によって強制的にでも職員間の交流が生まれることはメリットが大きく、スムーズな行政運営において必要なんですね。

職員間の交流が薄いと事業も円滑に進まなくなりますね。
〜言葉の解説〜
※①縦割り行政
各組織が協力しようとせず、組織ごとに仕事を線引きするような状態のこと。
目的⑤ 部署の環境改善
崩壊した部署を立て直すことができる
定期異動は部署の立て直しに非常に有効な手段となります。
自治体には様々な部署が存在しています。
中には人間関係のもつれや休職職員の増加などによって事業が停滞してしまっている部署があることも・・・
いかなる理由があろうとも自治体にとって事業が停滞してしまうのは非常に大きな問題です。
住民の苦情は増え、自治体の信用も丸潰れ。
こんな時、定期異動により優秀な人材を配置していくことで職場環境を改善することができます。
部署の立て直しは非常に大変な作業となりますが、経験値が豊富な職員やフットワークが軽く臆せず意見が言える職員を配置することで、多少なりとも環境改善を行うことができます。
できる職員が自治体の都合のいいように使われている感は若干否めないところもありますが、組織で運営しているため仕方ない部分もあります。
このように自治体に都合がいい点を考えると、定期異動はなくてはならない制度なのかも知れませんね。

逆に定期異動があることで優秀な職員の退職率が上がっている一面もあります。
全ての部署が円滑に動けばいいんですが・・・
これは自治体の苦悩かも知れませんね。
3. さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は「公務員の定期異動の目的」について記事を紹介しました。
色々調べる中で、定期異動は非常に理にかなっている部分が多いと感じました。
環境が変わるのって結構ストレスがかかりますが、それも公務員として働くことの楽しさかもしれません。
- 周囲の職員にも仕事にも慣れてきたタイミングでの異動の切なさ
- 異動先での多忙の噂を耳にした時の不安感
- 居たくない部署から解放された時の喜び
こんなドラマが生まれるのも公務員独自の”やりがい”なのかもしれませんね。
公務員の定期異動は、不安あり、喜びあり、時には涙ありの公務員のお祭りみたいなものです。
現在公務員として働かれている皆様も、是非楽しんで臨んでみてください!
この記事を書いていて、初めての異動内示が出た時の不安と興奮で眠れなかった夜を思い出したりょんなのでした。
りょん
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