- 「市内在住」の応募条件に疑問をお持ちの方
- 公務員を目指している方(特に地方部の自治体を検討している方)
- 「市内在住」の応募条件がある自治体への入職を検討されている方
お疲れ様です。元公務員のりょんです。
今回は「「市内在住」を応募条件にしている自治体の謎」について記事を紹介していきます。
みなさんは、公務員の採用試験要項に「市内在住」を入職の条件としている自治体があることをご存知ですか?
私も初めて要項を見た時「公務員になるのに住む地域まで制限されるの?」と驚きましたが、調べてみると結構な自治体でこの条件を採用していることが判明しました。
本記事では、各自治体が「市内在住」を応募条件として設定せざるを得ない状態になっている理由について経験談を元に考察していきます。

「市内在住」を応募条件に設定している自治体の多くは地方部の自治体になります。
採用自治体以外に住む検討をしている方は、採用試験要項を細かくチェックすることを忘れずに!
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1. 採用条件に「市内在住」??

まず「市内在住」とはどういう意味なんでしょうか?
簡単に説明すると・・・
採用時には市内に住むことを条件とする
「え・・・?住むところは自由に決められないの???」
現代は働き方の自由が推進されているため、居住地が制限されているのは時代遅れと感じる方も多いと思います。
近年、公務員志望者の減少傾向から比較的緩和されつつある条件ではあるんですが、まだまだこの(古臭い?)条件を残している自治体は数多く存在しているようです。
実際に各自治体の募集要項を確認してみたところ、まだ結構な数の自治体が「市内在住」を応募条件にしていることを知り、正直驚きました。
都心部の自治体ではあまり馴染みがないことだとは思いますが、地方部の自治体には今も根強く残っています。
地元自治体を受ける方であればそこまで気にならない条件かもしれませんが、それ以外の方にとってはこんな問題が生じることも・・・
・同県近隣市に住んでいても住民票を動かす必要があるため、引越しが伴う
・市外に持ち家がある場合、受験したくてもできない状況が生まれる
引越しにはお金も労力もかかる作業です。
通える範囲であれば面倒な引越しは誰でも避けたいですよね。
また、市外に持ち家があるといった、容易に引っ越すことができない理由がある場合は受験を諦めなければなりません。
自治体としても問題があります。
優秀な志願者がいたとしても「市内在住」の条件をクリアできない場合には応募条件を満たさないことになるため、優秀な方の採用を逃してしまう恐れもあります。
両者にとっても「負の要素」しか感じられない応募条件。
なぜこの条件は中々廃止の目処がたたないのでしょうか?
以下ではその目的について経験談から考察していきます。

「住む場所くらい個人の自由でいいじゃない!」と私は思いますが、この条件には地方部の自治体ならではの苦悩が隠されているようです。
2. 市内在住を応募条件とする目的

ではなぜこの縛りがあるのでしょうか?
そこには地方部の自治体ならではの並々ならぬ苦悩が隠されていると感じました。
各自治体が「市内在住」を応募条件として設定せざるを得ない状態になっている理由について考察していきます。
目的① 人口減少の抑制
一つ目の理由は人口減少の抑制となります。
人口流出に歯止めが効かない
現在地方部では、一極集中化(※①)による都市部への人口流出が非常に深刻な問題となっています。
特に若年層の方々における都心部への流出が加速しています。
どんなに魅力的な政策を行なっていても、生活が便利で魅力的な遊び場がたくさんある都心部に住みたくなる気持ちはわかりますよね。
地方部の生活にも魅力的な部分はありますが、私も地方部から都心部に出てきた身。
やはり都心部の魅力には勝てないと思ってしまいます。
正直採用職員数十名程度の流入では人口減少の抑制に効果がないと思うかもしれませんが、それでも地方の自治体は人口を少しでも増加させ、財源を確保していきたいという思いが強くあると思います。
現に流入人口の大多数が自治体職員だけ、という自治体も存在しているみたいです。
以上の理由から、市内在住を条件とする目的には、入職してくる若年層を市内在住の条件で獲得することで、少しでも定住者を増加させて地域活性化を図るという意図があると感じました。

例え少人数であろうと、人数を確保する。
各自治体の努力が応募資格に表れていますね。
〜言葉の解説〜
※①一極集中
人口や経済活動が”ある一定の場所(都心部)”に集中すること。
目的② 消防団員や自治会等の人数確保
2つ目の理由は、消防団員や自治会等の人員確保です。
目的①で紹介していますが、現在地方部では若年層の都心部への流出が進み、高齢化が深刻な問題となっています。
そこで並行して問題となるのが消防団員・自治会役員の不足です。
地域を守るために必要不可欠な役割を担っていますが、残念ながら人気のある感じではありません。
ただでさえ若年層の人数が減少しているにもかかわらず、報酬も年間数万円程の微々たるもの。
ましてや仕事以外のプライベートな時間が犠牲になってしまう消防団に人気があるとは思えません。
そうです。常に人員は不足しているんです。
実際に「消防団への加入」を応募条件にしている自治体もある程です。
条件にしている場合には、人員不足は明らかですよね。
その矛先として該当するのが公務員です。
自治体職員は声をかけやすい
「公務員が地域の役員にならなければならない」というルールがあるわけではないんですが、まぁ頼みやすいことは明らかですよね。
断るのも世間の目が気になりますし、ましてや地方部ではご近所さんを敵に回してしまうと生きていくのが大変な面もあります。
「地域の役員を率先してやっていきたい!」という方もいらっしゃるかとは思いますが、役員って結構大変で自ら参加を希望する方ってあんまりいないのが現状です。
私自身も消防団に入っていた経験がありますが、火事が起きれば出動要請が出ますし、週に1度の夜警、地域の行事や新年の出初めなど、プライベートの時間を削って活動する機会が多くありました。
「地域で働き、地域に貢献していく」
強制するのは良くないと思いますが、これは公務員の使命みたいなものかもしれませんね。
ただ消防団では、新規団員が入ってこないと抜けることができないという地獄のルールもあったりするので安易な気持ちで入団すると痛い目を見る場合もあります。
(私の地元では新規団員の入団がない年が続いていたので、卒業した年配の方が新規団員としてループする・・・なんていう状態も起きていました。)
貴重な経験はできますが、あくまで地域貢献なので、どんなに勧誘されても嫌であれば断る勇気も必要です。
こういった問題を解決していくためにも「市内在住」を条件としている背景があるのではないかと推測しています。

「自治体に貢献する」という気持ちは大切だと思いますが、ここまで縛りが強いと負担になることも。
ん〜考えものですね・・・
3. さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は「「市内在住」を応募条件にしている自治体の謎」というテーマで記事を紹介しました。
居住地を縛るという条件。
自治体を肌で知るといった点では非常にいい経験値になると思いますが、今時時代遅れな条件でもありますよね。
最近は公務員の志願者が減ってきているというニュースを多く聞くようになりました。
幸いまだ定員割れが起きていないため人気は継続中のようですが、あまり制限をかけすぎてしまうと志願者減少は益々加速していきそうですね。
それにしても公務員には地域の行事や役員など、様々な活動が存在しています。
知る機会があまりないだけで、地域の安全を守ってくれていたり、地域活性化のために尽力してくれている方って大勢いるんですね。
こういった情報は入ってみてから知ることが多いですし、実際に経験しないと見えてこない部分が多いです。
後悔しない選択をしていくためにも情報収集は大切です。
入職後のギャップが少しでも減るように公務員特有の謎・七不思議に関する様々な記事を紹介していきたいと思っています。
地元の消防団、上下関係が厳しかったり、プライベートを削って夜遅くに瞼を擦りながら出動したり、大変だったけど、いい思い出だったなぁ・・・と思い返したりょんなのでした。
りょん
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