- 公務員の行政職に興味がある方
- これから公務員を目指す方
- 公務員への転職を考えている方
- 公務員に合格している方
- 公務員として働かれている方
- 行政職として働かれている方
お疲れ様です。元公務員のりょんです。
今回は「行政職の基本情報」について記事を紹介していきます。
公務員の職種には行政職(一般行政職)という職種があります。
行政職の仕事は分野が幅広く、業務内容は非常に多岐に渡る職種になっています。
また、公務員の中でも職員数が最も多い職種であり、長い公務員人生の中で数多くの職員の方と交流がある職種です。
本記事では、行政職の基本情報について、経験談を踏まえて考察していきます。

行政職は業務の幅が広く、覚えることがたくさんある職種です。
大変ですが、公務員として多くの経験値を積むことができる楽しさもあります!
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1. 仕事内容

まず行政職の仕事内容から紹介していきます。
行政職は「どの部門にも配属される職種」
皆さんが持たれている公務員の一般的なイメージの仕事になるのではないかと思います。
一般事務職と呼ばれることもありますが、「事務」と言っても単純な事務作業だけではありません。
業務内容は、事業計画、現場対応、企業の方との折衝等、様々です。
専門職のように決まった部署がないため、定期異動によって様々な部署への異動の可能性があるのが一つの特徴です。
配属先は、窓口・情報・事業(建設)・観光・子育て・管財・企画・人事・総務・防災・課税・福祉・学校教育など、自治体の全ての部署に配属されます。
自治体における何でも屋さんですね。
異動先が多いことから様々な苦悩もつきものですが、公務員として非常に多くの知識や経験が得られる魅力的な業種です。

配属先は無限大!
数ある異動先ではいろんな出会いも多く存在しています。
2. 行政職の応募資格

行政職は何かを専門として入職するわけではありません。
保健士・建築・土木・情報・栄養士などの専門職と違い、資格による応募条件は設定されていないことになります。
ただ、以下のようなある程度の要件は存在するので、一緒に確認していきましょう。
① 地方公務員法第16条欠格条項に関する要件
自治体職員には地方公務員法で以下のような欠格条項が定められています。
あまり該当する方はいらっしゃらないかもしれませんが、一応参考までに載せておきます。
(欠格条項)
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
二 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
三 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
四 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
e-Gov法令検索
余談ですが、禁錮以上の刑を科されていた過去があっても、刑期や執行猶予期間が終わっていれば欠格事項に当てはまらないため公務員として働くことが可能です。
その点では若干怖い部分がありますね。
公務員には固い真面目なイメージが強く、信用性が重要な仕事だと思っていたので、この緩さに関しては意外な一面を感じました。
前科については基本的にはいい印象は持たれないと思います。
隠蔽したい気持ちもわかりますが、調査する自治体もあるようです。
万が一事実が判明してしまうと失職の恐れがあるため注意が必要ですね。
② 年齢による要件
年齢制限を要件としている自治体は数多く存在しています。
最終学歴によって設定される年齢は異なりますが、多くの要件では”30歳”までを応募資格としている自治体が多いようです。
30歳までの年齢制限って結構厳しい条件ですよね。
実は一般的に年齢制限は雇用対策法第9条によって禁止されています。
(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第九条 事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
e-Gov法令検索
ただ、同法律では適応除外が存在しており、公務員は除外されています。
(適用除外)
第三十八条の二 第六条から第九条まで、第六章(第二十七条を除く。)、第七章、第三十条の四から第三十条の八まで、第三十三条第一項(第九章の規定の施行に関するものに限る。)及び第二項並びに第三十六条第一項の規定は国家公務員及び地方公務員について、第三十条の二及び第三十条の三の規定は一般職の国家公務員(行政執行法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第二号の職員を除く。)、裁判所職員臨時措置法(昭和二十六年法律第二百九十九号)の適用を受ける裁判所職員、国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)第一条に規定する国会職員及び自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第二条第五項に規定する隊員については、適用しない。
e-Gov法令検索
この適応除外については、過去に裁判や国会での議論があったようですが、現在も残っています。
調べていくと、採用コスト削減や長期的な人材育成を兼ねて年齢制限をかけている背景があるとのことでした。
幅広い知識や経験が必要な公務員にとって、若年層からの経験値は非常に重要なんですね。
ただ近年は年齢制限を設けない自治体が増えてきたり、経験者採用として「〇〇年の職務経歴を有する場合」などの要件を緩和している自治体も増えているようです。
中堅世代の離職率が高まっている自治体の現状からすると、即戦力になる経験者を採用するメリットは多いため、今後益々年齢制限については緩和されていくかもしれませんね。

りょん自身も3社目の自治体では年齢制限がない自治体を受験しました。
様々な業種からの中途採用者がいたので、かなり刺激をもらえたいい経験でした。
③ 最終学歴による要件
多くの自治体が最終学歴における要件を採用しています。
高卒・大卒・大学院卒など、最終学歴ごとに応募区分が分けられています。
応募区分によって年齢制限が異なる場合もあるので、応募する際には注意が必要です。
また、学歴による応募区分が設定されている場合、給料面にも差が生じることも忘れてはいけません。
参考に総務省の「令和4年度地方公務員給料の実態」を元に東京都ベースで初任給を比較してみます。
高卒 | 短大卒 | 大卒 | |
初任給 | 149,062 | 160,617 | 180,323 |
比較すると学歴の差で給料の開きが結構あることがわかります。
初任給がこれだけ違うと生涯賃金にもかなり影響します。
入社してからの後悔を避けるため、十分に検討をしてから受験を検討してください。
初任給の情報は自治体の受験要項に記載されていることが多いので、ご自身でよくご確認の上判断してくださいね。

金銭面は後々大きな問題となります。
確かに安定感はありますが、給料に差が大きいとやる気低下に繋がる可能性も・・・
④ 日本国籍の有無による要件
日本国籍を要件としている自治体も多いです。
調べたところ「公権力の行使に関しては日本国籍の方のみが有する」いう考え方からきているようです。
この解釈には様々な議論・意見があるようなのでここではそっと流しておきます。
ただ、2022年10月、群馬県にて「国籍条項の撤廃」を導入するニュースが発表されました。
税金の賦課・徴収などの業務に関して一部制限があるようですが、これからの時代は公務員も多国籍になっていく未来が見えてきました。
現在は他にも多国籍者の住民割合が多い8府県が国籍条件を撤廃しているようです。
個人的には日本には多国籍の方が増えてきているため、多くのメリットが期待されるのではないかと感じています。

時代が進むにつれ、制度も合わせて変えていかなければなりませんね。
従来のやり方では通用しなくなってきているのかもしれません。
3. 試験内容・難易度

気になる試験内容・難易度について紹介していきます。
1次試験(記述形式)、2次試験以降(面接形式)について個別に分けて考察していきます。
1次試験(記述形式)
・1次試験には専門試験がない
・難易度はそこまで高くない
行政職における最大の特徴は専門試験がないことです。
昔は公務員試験に「教養試験」や「論文試験」が多く採用されていましたが、今は「SPI」を採用する自治体が増えてきた印象があります。
「教養試験」は出題範囲が幅広く対策が大変かつ勉強時間が結構必要になるので、「SPI」が導入されたことによって受験者の負担が少しでも減る傾向になったことは非常にありがたいことですね。
りょん自身、1社目「教養試験・論文」、3社目「SPI」だったのですが、きちんと対策すれば合格できる難易度だと思っています。
1次試験は単なる通過儀礼です。
誰でも合格ラインの点数を取ることができれば通過できる試験になります。
合格者も比較的多く、難易度は「そんなに高くない」と感じました。
試験内容は自身が応募した職種(高卒・大卒・経験者枠など)によって変わる場合があるため、応募要項をよく確認してください。

「教養試験」対策は大変ですが、公務員としての最低限の知識を学ぶこともできます。
昇任試験の際に「教養試験」を導入している自治体もあるので、勉強しておいて損はありません。
2次試験(面接形式)
・面接試験は多彩な試験内容!
・難易度は高め!
面接試験においては、「テーマ面接」「プレゼン形式」「集団面接」等、自治体によって様々な面接形式が採用されています。
特殊な面接形式の場合は質疑内容が想定できないため、日頃から様々な情報にアンテナを伸ばして生活していく必要があります。
私も「集団面接」「プレゼン形式」の面接を経験しましたが、受験者のレベルが高く、合格を掴み取るのは非常に狭き門であると感じました。
面接試験においては専門職と比べ行政職の方が特殊な試験内容の場合が多いので「難易度は高め」であると感じました。

公務員試験の難易度が高いと言われる所以には「面接試験の難しさ」が関係しているかもしれませんね。
4. 本当に資格は不要?

勿論資格を保持していることに越したことはありませんが、行政職では「資格」自体が応募条件に含まれていません。
ただ、部署によっては業務上最低限の資格(の知識)が必要となる場合もあります。
ですが、安心してください。
業務上必要な資格取得関しては、職員研修での学習機会があります。
経験年数も併せて必要なこともありますが、研修に参加するだけで取得可能な資格も数多く存在しています。
もちろん個人的に資格取得に挑戦するのも非常に自分のためになると思います。
資格を保持していることで異動希望の際に個人の意思が優遇されることもあるので、資格は持っていて損はありません。
結果がどうであれ、資格取得に向けて学んだ知識は日常業務には絶対にプラスになるので、余裕があれば資格取得へ挑戦してみてくださいね!

私も公務員時代に多数の研修を受講させていただきました。
1日で終わるものもあれば宿泊を伴う研修もあります。
他自治体の現状を知ることができる非常に貴重な経験でした!
5. さいごに
いかがでしたでしょうか?
本記事では「行政職の基本情報」について紹介しました。
近年退職者が多く人気が薄れている印象のある公務員ですが、それでも行政職は毎年倍率も非常に高く、公務員の中でも人気の職種です。
様々な分野の仕事に携わることができたり、様々な部署への異動が可能なことは非常に魅力的ですね。
ただ、魅力だけはなく様々な苦悩があるのも現状です。
次回以降の記事では、行政職の魅力・苦悩について紹介していきたいと思っています。
経験したことのない面接形式の時、アドレナリンが出過ぎて何を言ったか覚えてないほどテンパった思い出が蘇ったりょんなのでした。
りょん
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