公務員の病気休暇制度

傷病関係
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こんな方に向けて記事を紹介しています
  • 公務員の病気休暇制度に興味のある方
  • 病気休暇の取得を考えている方
  • これから公務員を目指す方
  • 公務員への転職を考えている方
  • 仕事に関する悩みを持っている方

お疲れ様です。元公務員のりょんです。

今回は「公務員の病気休暇制度」というテーマで記事を紹介していきます。

みなさんは病気休暇と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?

病気休暇は怪我、骨折、疾患などに応じた休暇ではありますが、経験上最も取得率の高い病気が心の病気です。

私自身も病に陥った経験がありますが、制度の知識を教えてもらう機会がなく、仕組みや金銭面でのリスクを知らずに後悔することもありました。
みなさんには私と同じ過ちを繰り返して欲しくないので、病気休暇の制度についてしっかり学んでいきましょう。

本記事では、病気休暇の制度について、個人的な経験談も踏まえて紹介していきます。

りょん
りょん

公務員には充実した制度がありますが、知らないと意味がありません。
与えられた制度をしっかりと把握し、万全の状態で症状を改善していきましょう。

1. 病気休暇とは?

まず病気休暇制度について紹介していきます。

負傷又は疾病のため療養する必要がある場合に取得することができる休暇

身体的な外傷だけではなく、精神的な病気についても病気休暇を取得することが可能です。

民間企業においても業務上の災害に対する補償責任はあります。
ですが、それ以外の事象の場合には法律による制度はないため、あくまで企業ごとのルールによって異なります。

「令和4年就労条件総合調査の概況」(厚生労働省(P7))では日本の企業の病気休暇制度普及率が掲載されています。
これをみると民間企業の病気休暇制度普及率は22.7%とでているので、普及率はあまり高くないようですね。

こうした背景からも公務員の病気休暇は非常に恵まれた制度です。
使う機会があって欲しくはありませんが、充実した制度が確立されているのは嬉しいことですね。

では以降の記事で、病気休暇制度を詳細に見ていきましょう。

りょん
りょん

民間企業では病気休暇制度の普及はあまり進んでいないようですね。
精神的な病についての理解が広がるのはいつになることやら・・・

↓民間企業と公務員の休暇制度の比較についてはこちらで紹介しています↓

2. 取得日数について

病気休暇は最大90日間の取得が認められる

人事院規則では、公務員の病気休暇について以下のような記載がされています。

(病気休暇)

第二十一条 病気休暇の期間は、療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最小限度の期間とする。ただし、次に掲げる場合以外の場合における病気休暇(以下この条において「特定病気休暇」という。)の期間は、次に掲げる場合における病気休暇を使用した日その他の人事院が定める日(以下この条において「除外日」という。)を除いて連続して九十日を超えることはできない。

e-Gov法令検索

条文の通りですが、内容が認められた場合、90日間までであれば病気休暇の取得が可能となります。

事故や怪我などの外傷では回復予想が比較的わかりやすいですが、精神的な病気については回復時期の予想は難しくなります。

ですが、完治せずに出社する必要はありません。
中途半端な状態で復職してしまうと病気が再発するリスクも高まるので注意が必要です。

もし90日間で完治しなかったとしても休職制度が存在しています。

以降では休職制度について紹介していきます。

りょん
りょん

精神的な病気は長期的な服薬、治療を要する場合が多い傾向にあります。
当然長期的に休むことにリスクはありますが、個人的には万全の体調に回復するまでゆっくりと治療に専念した方がいいと思います。

3. 休職制度について

90日間の病気休暇を経ても症状の改善が見込まれない場合、医師の診断結果に基づき、続けて休むことが可能です。

それが休職制度となります。

最大で3年間身分が保証される

人事院規則では、公務員の休職制度について以下のような記載がされています。

(休職の期間)

第五条 法第七十九条第一号の規定による休職の期間は、休養を要する程度に応じ、第三条第一項第一号、第三号、第四号及び第五号の規定による休職の期間は、必要に応じ、いずれも三年を超えない範囲内において、それぞれ個々の場合について、任命権者が定める。この休職の期間が三年に満たない場合においては、休職にした日から引き続き三年を超えない範囲内において、これを更新することができる。

e-Gov法令検索

条文の通り、継続して療養が必要と認められた場合、3年間は公務員としての身分が保証されることになります。

3年以内に復帰できない場合は分限免職処理(※①)、俗に言うクビになります。
一応3年経過したらすぐクビになるとは限らず、医師から復職の見込みがないと診断された場合に免職となるようです。
この点については自治体の条例によって異なる部分もあるので、ご自身で確認してみてください。

りょん
りょん

正直こんなに休職制度が充実しているのは公務員だけだと思います。
数ヶ月間の休職制度を導入している企業もあるようですが、3年も身分を保証してくれる制度は非常に魅力的ですね。

〜言葉の解説〜
※①分限免職
公務の能率的な運営を維持するために、職員の同意なく行われる処分のこと。
勤務成績不良、療養期間が長期に渡る場合等に免職となる可能性がある。
 「分限」=「身分保障の限界」

4. 気になる給料面

もちろん給料面の待遇は気になるところですよね。

制度上、病気休暇期間と休職期間で給料が異なるため、それぞれ紹介していきます。

① 病気休暇の場合

まず、病気休職期間の場合について見ていきましょう。

以下では、病気休暇中の基本給・各種手当・賞与について紹介しています。

I 基本給

基本給(※①)は全額支給される

病気休暇期間であっても基本給は休暇前と同様、全額支払われることになります。

治療も大変ですが、働いていなくても3ヶ月間給料が100%支給されるのは嬉しいことですね。

〜言葉の解説〜
※①基本給
手当やインセンティブを除いた給料のベースとなる賃金のこと。

II 各種手当

種類によっては支給されないものもある

公務員には、地域手当・住居手当・扶養手当、児童手当、通勤手当・管理職手当など、様々な手当が充実しています。

ただし、通勤手当や管理職手当などの手当については場合によって支給されないことがあります。
詳しく知りたい方は自治体の例規集(※①)をご確認ください。

参考程度に私が病気休暇を取得した際、個人的に疑問に思った通勤手当の支給に着目して紹介します。

通勤手当支給の仕組み

①月の出勤日が”0”の場合
⇨通勤手当は支給されない

②月の出勤日が”1以上”の場合
⇨通勤手当は全額支給される

以上の仕組みになっているようです。

事前に病気休暇の日数が長期であると判明している場合、電車通勤の方は一度定期券の解約を視野に入れて考えた方がいいかもしれません。
経験上、病気休暇の仕組みについては説明がありませんでした。
損をしないためにも自分自身で制度を調べることが大切かもしれませんね。

〜言葉の解説〜
※①例規集
自治体運営の執行に必要な条例や規則、要綱などを集めた法規集のこと。

Ⅲ 賞与

勤勉手当については減給される場合がある

賞与と聞くとあまり馴染みがないかもしれませんが、簡単にボーナスと捉えていただいて大丈夫だと思います。
公務員の賞与は、期末手当(※①)・勤勉手当(※②)を合算した金額が支給されます。

病気休暇中の賞与については、期末手当は全額支給されますが、勤勉手当は減額対象となります。
30日間以上(土日祝除く)の病気休暇を継続して取得した場合、それ以降の期間に対する勤勉手当は減額となります。

〜言葉の解説〜
※①期末手当
基本給と各種手当を合算した月の給料に自治体で定められた各期間(数ヶ月分)を乗算して算出した手当のこと。
※②勤勉手当
基本給と各種手当を合算した月の給料に勤務成績率を乗算して算出した手当のこと。

② 休職期間の場合

ここからは、休職期間の場合について見ていきましょう。

以下では、休職中の基本給・各種手当・賞与について紹介しています。

Ⅰ 基本給

休職期間中の基本給については期間ごとに異なるため、表にして説明していきます。

休職期間(計3年)給料形態支給割合支給元
1年有給80%自治体
1年6ヶ月無給2/3(約66%)共済組合(要申請)
6ヶ月無給0%なし
休職中の基本給の仕組み

病気休暇中と比較すると支給金額は減額することがわかります。

自治体から支給されるのは休職開始から1年間までの期間となっており、そこから1年6ヶ月までは無給となってしまいます。
ただ、申請することで共済組合から「傷病手当金」として2/3程度の金額が支給されるため、実質2年6ヶ月は少なからず金額が支給されることになります。

令和3年まではこの期間にプラス6ヶ月間「疫病手当付加金」の支給がありましたが、現在は廃止されているようですね・・・残念。

2年6ヶ月を経過すると完全なる無給となります。

無給の期間は共済保険料のみ天引きされることになるため、経済的にはプラスのない6ヶ月間。
精神的に苦しい状況にさらに金銭的にも苦しい状況がのしかかってきます。

どんな場合にも対応できるよう日頃から備えておくことは重要ですね。

Ⅱ 各種手当

手当の支給も減額対象となる

基本給と同様に地域手当・住居手当・扶養手当、児童手当なども減額の対象となります。
支給割合については、Iの基本給と同一の扱いとなります。

基本給も減額、手当も減額・・・

経済的には非常に厳しい状態に陥ってしまいますね。

Ⅲ 賞与

1年間は賞与が支給される

賞与は自治体から支給されるものになるため、1年間であれば減額はされますが支給はあります。
逆に1年以降は支給されることはありません。

期末手当・勤勉手当については、支給の形態が分かれているので、以下にまとめました。

休職中の賞与

①休職〜1年間の取り扱い
・期末手当 8割支給
・勤勉手当 時期によっては減額した金額を支給、無給となる場合もある
②1年以降の取り扱い
・期末手当、勤勉手当の支給はなし

公務員の賞与は6月(基準日6/1)、12月(基準日12/1)の2回に渡り支給されます。
そのため、基準日に病気休暇・休職期間の場合、勤勉手当の支給が無くなることになります。

8割支給とはいえ、1年間期末手当が支給されるのは助かる部分ですね。

5. 復帰後、病気が再発した場合

ここからは復帰したものの、再度病気が発症してしまった場合の措置について紹介していきます。

復職後1年未満は前期間に通算、1年以上経過していればリセットされる

このような制度になっています。

復職プログラムを導入している自治体が増えてきてはいるものの、長期的に休職をしている場合、復帰については精神的にも体力的にも結構大変だと思います。

「3年で治って1年働けるか」

個人的には誰もがクリアできるものではないと思っていますが、規則で定められている以上は仕方ありません。

職を失う怖さもありますが、健康が一番。
天秤にかけるのは非常に難しいですね。

りょん
りょん

復職時に職場環境が改善されていればいいのですが・・・
こればかりは復職してみないとわからないので、実際なんとも言い難い部分がありますね。

6. さいごに

いかがでしたでしょうか?

今回は「公務員の病気休暇制度」というテーマについて記事を紹介しました。

休暇制度が充実していたり、身分保証期間が長かったり、やはり公務員の福利厚生は恵まれているようですね。
病気休暇の制度がない企業の場合には労災保険の休業補償給与がもらえる場合がありますが、結構厳しめの審査があるようです。
また、身分の保証期間についても公務員ほどの保証期間を設定している企業は非常に稀のようです。

福利厚生は恵まれているものの、病気休暇の取得はできれば避けて通りたいところ。
公務員の仕事は、住民との折衝、多くの部署異動、緊急時の対応等、結構ストレスフルな特殊な仕事です。

「私はそんな病気にならないから大丈夫だろう」

この考えって結構危険です。
気づいたら無理を重ね、倒れてしまう人も多くみてきました。

時には無理をするのも必要ですが、たまには自身の体調に向き合うことも必要です。
病気休暇・休職の制度を活用していくことは決して悪いことではありませんし、非難されることでもありません。

全ての方が健康で元気に働くことのできる職場環境が作られることを祈っています。

りょん

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